カスタマー平均評価: 4
いやな旅 著者はシンガーソングライターだが、ふと思い立ってヨットでニューギニアに行くことにした。その冒険の顛末を描いたのが本書。
とにかく、読んでいて非常に不快な本。意味も目的もなく冒険を続けているという印象が強い。ニューギニアで大河をさかのぼり、フクロオオカミを探し、高山に登る。しかし、それによって貴重な体験をするとか、人間的に成長するとかいうことがまったくないのである。
ずぶの素人なのにヨットを操り、ロッククライミングに挑戦する。しかし、当然、上手くできるはずもなく、悲惨なことになる。周囲の人間にも迷惑をかけ、愛想を尽かされてしまう。
とにかく著者の人格が卑しいのが問題。平気で法律は破るし、他人を欺く。そのせいでもめ事が絶えない。
最後も借金のために旅を続ける羽目になり、読んでいて嫌になった。
まさに本格冒険もの そこいらの二流タレントが知名度に物を言わせて、万全のサポート体制と巨大スポンサーをバックに「わたし、やりました!!」・・・みたいなニセモノとは全く対極に位置する、非の打ち所のない本物の「本格冒険モノ」です。 正真正銘のド素人が、百戦錬磨の隊長とともに経験する数々の「世界初」や生命の危機、人間不信、諦め、絶望、そして希望・・・。 あまりの無茶さ加減に苦笑しながらも、最後の最後までハラハラドキドキしながら一気に読ませてくれます。 読後の感想は、まさに「サイコー!!」のひと言。 あまりにも痛快なド素人冒険記、ぜひともみなさんも読んでください。
悲壮感はまったくないが、よくぞここまで普通の婦女子が・・ タイトルだけ見ると、椎名誠の冒険記(「ずんか島冒険記」は最高だった)か?と思わせてしまうこの本。 解説をみて、「あっ」と思った。そう椎名誠が書いているのである。 しかも、このタイトルは椎名氏が命名したものらしい。内容はシンガーソングライター、ときにはものまね番組でカレンカーペンター(カーペンターズ)のものまねをするひと、である峠恵子がパプアニューギニア、それもはんぱじゃない冒険に出かけた記録である。 「なんで普通の婦女子がここまでできるの〜」と驚くばかりである。 しかし、悲壮感は一切見あたらず、ライブ感あふれる文章で冒険の顛末をつづっている。 椎名誠さんの本が好きなひとには、いまいちものたりないかもしれないが、なかなかおもしろい一冊である。
女性とてし、とても素敵な雰囲気を感じました。 いままで、航海記・登山記等をずいぶん読んできましたが、峠さんは、元々その関係の人ではなく、歌手としてやってきた人。急にヨット・ロッククライミング・非常にタフな冒険の世界に飛び込んで行く、それも普通の素人の女性とて、 その内容は、非常に厳しい中、淡々とつづられて、今までのこの種の本とは、チョット違い。とても明るく前に向かって最後までやり遂げて行く姿がとても良かったです。現代人風に、この冒険の1年間は自分の人生のほんのチョットの一部分として捉え、また、歌手の世界へ、峠さんの歌手の姿を見たくなりました。
タレント本ではありません。壮絶な冒険本です。 本屋さんで「ニューギニア水平垂直航海記」というタイトルの文庫本に出会いました。 著者のプロフィールを見てみると、「シンガーソングライター」。「タレント本か。。きっと、ちょっとした冒険旅行についていって、そのときに体験したハプニングなどを大きくクローズアップでもしてる体験記なんだろうな。」と思いつつ、文庫では珍しい「書き下ろし」であることと本のタイトルに興味をそそり、取りあえず購入してみました。 プロローグを経て、第1章「太平洋を渡る」は、ヨットでニューギニアまで航海するというものですが、荒れ狂う大海にヨレヨレ状態(?)のヨットに乗り、いきなり生々しいシーンの連続。 頁をめくるごとに壮絶さを増していき、いわゆるタレント本ではなく、体験したものしか伝えることができない、ド根性もののドキュメンタリーにあふれていることがわかりました。 そして、ニューギニア滞在では、未踏のトリコーラ山北壁の登攀に、生々しい壮絶さがますますエスカレーションしていきます。 著者はヨットマンでもなく登山家でもなく冒険家でもありません。シンガーソングライターです。著者自身がこれからの人生を歩むにあたり、その転機にたくましさや根性を求めて突拍子もないことをやり遂げるという思いだけです。 それなのに、海あり山ありのまさしく水平垂直に渡る冒険が約1年にも渡って繰り広げられ、生死にかかわり、身も心もボロボロで満身創痍になりながらも、屈強の忍耐力でくじけず粘り強くあきらめず、それでいて笑いがあって実にあっけらかんとして書かれているところに惹かれるものがありました。
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